CRM / SFA GUIDE

顧客管理システムとは|選定軸5つと、月額が変わる4つの要因

顧客管理システムの定義、機能の4分類、提供形態5型による候補の絞り込み、月額が変わる4要因とPipedriveの料金、選定軸5つ、導入で失敗する4つの型を整理します。

株式会社Mer

Pipedrive運営チーム(株式会社Mer)

顧客管理システムは、顧客の情報と、その顧客に対して行った活動を、同じ場所に記録して共有するためのシステムです。表計算ソフトとの違いは、顧客と活動を別々に持ち、権限を分け、期日で通知できることにあります。

製品を比べる前に決めておくことが2つあります。何を管理するのかと、誰が入力するのかです。この2つが決まらないまま製品比較を始めると、機能の多さで選んで使われないシステムが残ります。

以下では、機能の分類、価格が変わる要因、選定軸の5つを順に扱います。製品名の序列は作りません。序列は自社の条件によって変わるためです。

顧客管理システムとは何ですか?

顧客管理システムは、顧客の属性情報と接触履歴を一元的に記録し、担当者間で共有するためのシステムです。個人が持っていた情報を組織の資産に変えることが目的です。

扱う対象は3つに分かれます。

  • 顧客: 会社、部署、担当者。1件が固定で、増えても変わらない

  • 活動: 連絡、訪問、提案、フォロー。同じ顧客に対して増え続ける

  • 案件: 進行中の商談。金額、確度、次のアクションを持つ

この3つを別々に持てることが、表計算ソフトとの構造上の違いです。1つの表に混ぜると、顧客が重複するか、列が横に伸び続けるかのどちらかになります。

顧客は1件で変わらず、活動と案件は増え続けます。増えるものと増えないものを同じ表に置くと、どちらかの形が必ず崩れます。顧客管理システムが解いているのは、この構造の問題です。

もう1つの違いは、次に何をするかを持てることです。表計算ソフトは過去の記録には向きますが、期日が来たことを知らせません。誰が、いつ、何をするかを持ち、期日で通知できるかが分かれ目になります。

なお、CRMやSFAという呼び方との関係はCRMとSFAの違いで扱っています。呼称より、上の3つをどこまで扱うかで判断してください。

顧客管理システムで何ができるのか

機能は4つに分類できます。製品ごとの差は、この4つのどこに厚みがあるかに出ます。

分類

内容

記録と検索

顧客・活動・案件の登録、条件での絞り込み、重複の検出

進捗管理

商談ステージ、次回アクション日、期日の通知

共有と権限

担当者の割り当て、閲覧範囲の制御、変更履歴

分析

件数・金額・通過率の集計、期間比較、担当者別の状況

導入直後に効くのは上2つです。分析は、データが溜まってから意味を持ちます。最初から分析機能の充実で選ぶと、入力が回らないまま高機能なシステムが残ります。

記録と検索

顧客を1件として登録し、条件で絞り込める状態を作ります。ここで見るのは検索の速さではなく、同じ顧客を1件と判定できるかです。表記の違う重複を検出できないと、件数の集計も接触の管理も成り立ちません。

進捗管理

商談をステージで持ち、次回アクション日で期日を管理します。表計算ソフトとの差が最も出るのがこの部分です。期日が来たことを人が覚えている状態から、システムが知らせる状態に変わります。

共有と権限

担当者を割り当て、閲覧範囲を制御します。全員が全部見られる設定で運用を始めると、後から範囲を狭めるときに反発が出ます。最初に方針を決めておくほうが早いです。

変更履歴も同じ枠です。誰がステータスを変えたかが行単位で残ると、判断の経緯を後から追えます。

分析

件数、金額、通過率を集計します。ここで注意が要るのは、分析の精度は入力の精度を超えないことです。入力が抜けていれば、出てくる数字も実態と合いません。

もう1つ、機能表に載りにくいが影響が大きいのが外部連携です。メール、カレンダー、会計、フォーム、チャットとつながるかどうかで、入力の手間が変わります。連携がない場合、同じ情報を2か所に入れる作業が毎日発生します。

顧客管理システムで有名なものは?

製品名の序列は、条件によって入れ替わります。ここでは製品を並べず、提供形態の分類で整理します。自社がどの型を必要としているかが決まれば、候補は絞れます。

中心にある考え方

向いている状況

CRM型

顧客との関係を継続的に記録する

既存顧客との取引が長く続く

SFA型

商談の進捗を管理し、受注を予測する

新規商談の本数が多い

MA連携型

見込み客の行動を追い、スコアで渡す

マーケティング経由の流入が多い

業種特化型

業界固有の項目と業務を最初から持つ

業務が業界標準に強く依存する

汎用データベース型

項目とビューを自分で組み立てる

業務が特殊で、社内に構築できる人がいる

多くの製品は複数の型にまたがります。 分類は排他ではなく、どこに重心があるかを見るための軸です。

型を決めるときの手がかりは、自社の売上がどこから来ているかです。既存顧客の継続と追加が中心ならCRM型、新規の商談本数が売上を決めるならSFA型に寄ります。両方が同じくらいなら、SFA型で始めて既存顧客の管理を足すほうが定着しやすいです。商談の進捗は毎日更新する必要があり、入力の習慣がつきやすいためです。

汎用データベース型は柔軟ですが、設計と保守を自社で持つことになります。社内に構築できる人が1人しかいない場合、その人が抜けた時点で誰も直せなくなります。 柔軟性の対価として、属人化のリスクを引き受ける選択です。

業種特化型は最初から項目が揃っている代わりに、業務が業界標準から外れると合わなくなります。自社の業務が標準的かどうかを先に確認してください。

製品の一覧そのものは比較サイトで得られます。一覧を見る前に上の型を決めておくと、候補が数十から数個に減ります。型を決めずに一覧を見ると、掲載順や掲載数が判断に影響します。

顧客管理システムは月額いくらくらいしますか?

価格は「1ユーザーあたり月額×人数」を基本に、次の4つで変わります。

  1. ユーザー数。 ほぼすべての製品がユーザー単位の課金です。閲覧のみの人を含めるかで総額が変わります

  2. 機能階層。 権限設定、自動化、分析、API利用が上位プランに置かれることが多くあります

  3. 契約期間。 年間契約で月額が下がる形が一般的です

  4. 初期費用と支援。 設定代行、データ移行、研修が別費用になる場合があります

総額で比べるときは、この4つを揃えてください。 「1ユーザー月額」だけを並べると、必要な機能が上位プランにある製品が安く見えます。

見積もりを取る前に、次の3つを数えておきます。入力する人の数、閲覧だけの人の数、そして必須の機能。この3つが決まれば、各製品の総額を同じ条件で並べられます。

閲覧のみの人を数える理由は、製品によって扱いが違うためです。全員が同じ単価の製品もあり、閲覧専用の枠を持つ製品もあります。管理職や関連部門が状況を見るだけの場合、この差が総額に効きます。

1年目の総額と、2年目以降の総額は別に出してください。 初期費用や移行支援は1年目だけに乗ります。1年目の合計だけで比べると、継続的に高い製品を選ぶことがあります。

Pipedriveの料金

プラン

月額(税抜)

Lite

¥2,800/月

Growth

¥6,800/月

Premium

¥9,800/月

Ultimate

¥13,800/月

出典: https://www.pipedrive.merinc.co.jp/plans(2026-08-12取得)。年間契約で月額から最大36.4%の割引。全プランに日本語サポートと日本語オンボーディングが付きます。

Merが提供する初期環境構築(Pipedriveスターターサポート)とAI Operations支援サービスは個別見積もりです。

選定軸5つ

機能の数ではなく、次の5つで比べます。どれも自社の条件を当てはめると答えが決まります。

1. 誰が入力するか

営業担当者が自分で入力するのか、内勤が代行するのかで、必要な入力の軽さが変わります。担当者が入力する前提なら、スマートフォンでの入力と、メールやカレンダーからの自動取り込みが効きます。

入力の負荷は定着を左右します。1件の記録に5分かかるシステムは、繁忙期に更新が止まります。止まった記録は後から埋められることがなく、その期間のデータは欠けたまま残ります。

トライアルで確認するのは、実際に使う人が1件を登録するのに何分かかるかです。管理者が触った印象ではなく、入力する担当者に試してもらってください。

2. 何を管理するか

顧客の情報だけでよいのか、商談の進捗まで扱うのかを決めます。前者ならCRM型、後者ならSFA型に寄ります。

先に決めておくと、不要な項目を作らずに済みます。「将来使うかもしれない」で項目を増やすと、空欄の列が残り、入力する人が何を埋めるべきか分からなくなります。

決め方は、いま現場が何を見て判断しているかを列挙することです。使っていない情報を項目にせず、実際に判断に使われている情報だけを移します。

3. 既存ツールとつながるか

メール、カレンダー、会計、フォーム、チャットのうち、どれと連携する必要があるかを列挙します。連携がないと、同じ情報を2か所に入力することになります。

確認するのは連携の有無だけでなく、どちらが正になるかです。両方で編集できる設計だと、どちらが最新か分からなくなります。

連携の粒度も見ます。「メール連携あり」と書かれていても、送信履歴が残るだけの製品と、顧客ごとにスレッドが紐づく製品では、実務での価値が違います。表記ではなく実際の画面で確認してください。

4. 権限とデータの持ち方

誰がどこまで見られるかを分けられるか。外部の協力会社や業務委託と共有する予定があるなら、閲覧範囲の制御は必須の条件になります。

データを取り出せるかも同時に見ます。CSVやAPIで自社に出せない場合、将来の乗り換えが困難になります。トライアルの段階で、実際に書き出して中身を確認しておいてください。

取り出せる範囲も見ます。顧客と案件は出せても、活動履歴や添付ファイルが出せない製品があります。乗り換えのときに失うのは、たいていこの部分です。

5. 変更を自分でできるか

項目の追加、商談ステージの変更、権限の見直しを、社内で完結できるかを確認します。変更のたびにベンダーへ依頼が必要な設計だと、運用が実態に追いつきません。

業務は変わります。最初の設計が完璧である必要はなく、変えられることのほうが重要です。導入時の設計より、運用しながら直せるかを見てください。

確認の仕方は簡単です。トライアル中に、項目を1つ追加し、商談ステージの名前を1つ変えてみてください。管理画面から数分でできるなら、運用の変化に追随できます。設定の依頼が必要なら、変更のたびに待ち時間と費用が発生します。

導入して失敗する型

原因は機能不足ではなく、運用設計にあることがほとんどです。頻度の高い5つを挙げます。

項目を作りすぎる。 網羅しようとして数十の項目を用意すると、入力されるのは数個だけになります。最初は5〜8項目に絞り、使われている項目だけを増やしてください。

入力を義務にして目的を伝えない。 「入力しないと評価に響く」で回すと、形だけ埋まった記録が溜まります。入力したデータが自分の判断に返ってくる形を先に作ります。

返し方は難しくありません。今日やるべき案件の一覧が自動で出る、期日を過ぎた案件が通知される、という形で足ります。入力が自分の仕事を楽にすると分かれば、義務にしなくても更新されます。

移行を一度にやる。 過去の全データを移そうとすると、対応表の作成で止まります。現在動いている顧客と商談だけを先に移す進め方が確実です。

管理者を決めない。 項目の追加、権限の変更、不要データの整理を誰が担うかを決めないと、半年で誰も直せない状態になります。兼任でかまわないので、名前を決めてください。

定着を測らない。 入れたことを完了とすると、使われていない状態に気づけません。測る指標は3つで足ります。今週更新された案件の割合、次回アクション日が空欄の案件数、そして週あたりのログイン人数です。

この3つが下がり始めたら、機能ではなく運用に原因があります。入力項目が多すぎるか、入力したデータが誰の判断にも使われていないかのどちらかです。

導入前に手元で確かめる

比較表だけで決められることは限られます。実際のデータを数十件入れて、担当者が1週間使ってみるのが最も確実です。

トライアルで確認する項目を5つに絞ります。機能を網羅的に触るより、この5つを確かめるほうが判断が速くなります。

  • 1件の登録にかかる時間。 入力する本人に試してもらう

  • 項目の追加を自分でできるか。 管理画面から1つ足してみる

  • 重複の検出。 表記の違う同じ会社を2件入れて、検知されるかを見る

  • 書き出し。 CSVで出して、活動履歴と添付が含まれるかを確認する

  • 通知。 期日を過ぎた案件が実際に知らされるかを試す

Pipedriveには無料トライアルがあります。今使っている表計算ソフトから数十件だけ取り込み、上の選定軸のうち「誰が入力するか」と「変更を自分でできるか」を確かめるところから始められます。

Pipedriveを無料で試す

よくある質問

顧客管理システムとCRMは違うものですか?

呼び方の違いが大きく、指す範囲は重なります。CRMは顧客との関係管理、SFAは営業活動の管理に重心がありますが、製品としては両方を含むものが一般的です。詳しくはCRMとSFAの違いで扱っています。

製品選びで呼称にこだわる必要はありません。確認するのは、顧客・活動・案件のどこまでを扱えるかです。

何人くらいの規模から必要ですか?

人数では決まりません。同じ顧客に複数人が関わる、担当者以外が状況を知る必要がある、期日を人が覚えている、のいずれかが起きた時点で必要になります。

表計算ソフトで管理している場合の判定条件は顧客管理をExcelでやる方法と、乗り換えを判断する条件にまとめています。

導入にはどれくらいの期間がかかりますか?

設定そのものは数日で終わります。時間がかかるのは運用の設計と定着です。誰が何をいつ入力するかを決め、1〜2週間並行運用してから切り替える形が現実的です。

既存のデータはどこまで移せますか?

技術的にはCSVで大半を移せます。問題になるのは項目の対応関係です。既存の列と新しい項目が1対1で対応しないため、移す前に対応表を作る作業が発生します。

対応表の作成量を減らすには、移す列を最初から絞ることです。顧客ID、会社名、担当者、ステータス、次回アクション日の5つで始められます。

無料で使えるものはありますか?

無料プランを持つ製品や、無料のソフトがあります。ただし、ユーザー数、レコード数、権限設定に制限が置かれていることが多く、複数人で使う段階で有料が必要になります。無料の選択肢とその限界は顧客管理ソフトとはで扱っています。

分析機能は最初から必要ですか?

必要ありません。分析はデータが溜まってから意味を持ちます。導入直後は、記録と検索、進捗管理の2つが回るかを優先してください。

3か月ほど運用してから、見たい数字を決めます。先に分析画面を作り込んでも、入力が揃っていなければ数字が読めません。

複数の部門で使う場合、何を先に決めますか?

顧客の定義と、項目の共通部分です。営業とカスタマーサクセスで「顧客」の粒度が違うと、同じ会社が別々に登録されます。会社を1件として持ち、部門ごとの情報はその下にぶら下げる形にしてください。

権限も同時に決めます。どの部門がどこまで見て、どこを編集できるか。後から分けるより、最初に分けるほうが摩擦が小さくなります。

比較サイトのランキングはどう使えばよいですか?

候補を集める用途に使い、順位そのものを判断材料にしないことです。ランキングの基準は媒体ごとに違い、自社の条件とは無関係に決まっています。

本記事の選定軸5つで自社の条件を書き出したうえで、一覧から条件に合うものを拾う順番にしてください。

参照元

記事情報

  • 著者: 株式会社Mer

  • レビュー: Pipedrive運営チーム(株式会社Mer)

  • 更新日: 2026年8月13日

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